「ゲームシナリオの書き方」書評|現役ゲームプランナーによるレビュー

「ゲームシナリオの書き方」の書評・感想について書いていきます。

ゲームプランナーもシナリオを書く機会は多く、シナリオについて学んでおいて絶対に損はしません。

僕が最初にシナリオを書いたのはキャラ同士の簡単な掛け合いでしたが、当時は全く知識がなかったのでそれだけでもめちゃくちゃ苦労した覚えがあります・・・

「ゲームシナリオの書き方」はゲーム特有のシナリオの書き方について、幅広い知識を体系的に学ぶことができる、まさに「初心者向け」の本となっています。

ゲームプランナーとして勉強を始めたい人やこれからゲームプランナーを目指す人にはぴったりです。

SHIMA

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ゲームシナリオの勉強におすすめ本4選!【読むべき順に解説】 現役ゲームプランナーの立場から、ゲームシナリオについての勉強におすすめの本を紹介しています。初心者が読むべき本からより専門性の高い本まで、読むべき順番も交えてお伝えします。

著者:佐々木智広さんの略歴
ゲーム制作会社でシナリオを担当し、後にフリーのシナリオライターとして「Memories Off」等のシナリオを作成されています。

ゲーム専門学校で講義を担当されていたり、CEDEC2007にて講演をされる等、「ゲームシナリオを教える」ことを仕事にされている方です。

※CEDECとはゲームに関連する技術力向上と知識や情報の交流を促進するための日本最大級のカンファレンスです

目次

「ゲームシナリオの書き方」書評

「ゲームシナリオの書き方」はこれからゲームシナリオを学ぼうとしている、知識0の人が1冊目に選ぶのにぴったりの内容になっています。

シナリオを書くための基本的な内容が分かりやすく解説されているので、逆にすでにある程度知識がある人にはちょっと物足りない内容になるかもしれません。

あくまでこれからゲームシナリオを学ぶ「初心者向け」の本であることを念頭に置いておいてください。

1~10まで体系的に学べる入門書

「ゲームシナリオの書き方」にはシナリオを書くために必要な手順に沿って、1~10までの知識を幅広く学ぶことができます。

この1冊を読むだけで、シナリオを書くために必要な知識を概ね網羅することができるので、「知識0の状態で最初に読む1冊」として非常におすすめです。

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この本の流れに沿って、まず簡単なシナリオを書いてみるとかなり理解が深まるはずです。

まず「ゲームシナリオの書き方」を読んでシナリオの書き方について全体をざっくり掴んでから、より詳しく知りたいことについては別の本で深めていくと効率よく学ぶことができます。

「ゲームシナリオ」の本である重要性

シナリオの書き方についての本をGoogleやAmazonで検索してみると、映画や舞台台本、小説などの書き方についての本が9割方を占めていて、ゲームシナリオに関する本はかなり少ないです。

ゲームシナリオの書き方について触れている本は1割くらい、多くても2割には届かないでしょう。

演劇や小説などと比べるとゲームシナリオはまだ歴史が浅く、理論として体系的に研究されることが少ないからかもしれません。

ゲームシナリオには選択肢やゲームオーバーがあり、「プレイヤーの行動によって物語が変化する」という他ジャンルのシナリオにはない大きな特徴があります。

その点でゲームシナリオを書くために必要な基本の知識を1から学べるこの本の存在は非常にありがたく、ゲームプランナーにはピッタリの内容になっています。

ゲームシナリオに関する基本的な知識を最初に持っておけば、2冊め以降に別ジャンルのシナリオの本を読んだときに「自分に取って必要な知識」の取捨選択をすることができ、効率よく勉強を進めることができます。

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演劇や小説のシナリオについての本は、2冊め以降に「より深めたい知識」を勉強するために読むのがおすすめ!

「ゲームシナリオの書き方」要約

「ゲームシナリオの書き方」は全3部で構成されています。

  1. 第1部 ゲームシナリオの主成分
  2. 第2部 構成
  3. 第3部 テキスト

この本の構成は実際にシナリオを書く際に考える順番のとおりになっているので、流れがすんなり頭に入ってきて理解しやすいです。

図で示すとこんな感じ。

実際にシナリオを書く手順のとおりに解説が進むので、読みながら自分で簡単なシナリオを書いてみるのもおすすめです。

第1部:シナリオの「根幹」を決める

ゲームシナリオを作成する第一歩として、シナリオの大元になる要素についてまず考える必要があります。

  • テーマとストーリー
  • キャラクター
  • キャラの役割
  • 世界

4つ並べましたがこれらは上から順番に考えるものではなく、それぞれの項目について行ったりきたりしながら考えるものです。

  • テーマとストーリー:短い言葉で、「これはどんなゲームなのか」を表現する
  • キャラクター:テーマを表現するための役割設定と、魅力的なキャラクターを創造する
  • キャラの役割:味方キャラや敵キャラがストーリー上でどのような役割を持っているのかを設定する
  • 世界:物語の舞台となる世界設定。時代や場所、世界のルールなどを決める。

テーマを考えながら、どんなキャラクターの話でそのテーマを伝えるのか、またそのキャラが生きる世界は?でもそのキャラがいるならもっと深いテーマを伝えられるかも・・・とそれぞれの要素を考えながら、より内容を濃くしていきます。

第2部:シナリオの「構成」

シナリオの構成というのは「設計図」「骨組み」のようなものです。

第1部で決めた「テーマとストーリー」を伝えるために、どのような流れでお話を進めていけば面白くなるかを決めます。

「ゲームシナリオの書き方」内では、話し下手な人と話し上手な人が「釣りに行って大きな魚が釣れた話」を伝える際の構成の違い、という分かりやすい具体例でこのシナリオの構成の重要性を解説してくれています。

分かりやすく言うと「起承転結」や「序破急」といったストーリーテリングのテンプレートがあります。

これらのテクニックを活かしながら、時にはプレイヤーの期待に応えて、時にはプレイヤーの意外性を突いて感情を動かせるような構成を考えていきます。

また、ゲームならではの「選択肢」や「フラグ」による分岐などもこの構成の中で決めていきます。

※フラグ:シナリオを進行させるために必要な手続きのようなもの。
例)「王子は宿屋に向かった」と話を聞いてから(フラグ)、宿屋に行くと王子が宿泊していて仲間になる。

第3部:シナリオのテキスト

第2部までで作った設計図をもとに、具体的なテキストを書いていきます。

ゲームシナリオで使用するテキストには3種類の要素があります。

  • セリフ
  • 地の文
  • 指示

セリフ:キャラクターの発する言葉。ゲームシナリオにおいて最も重要かつ量が多い要素です。

地の文:情景などを伝える文。ゲームにはグラフィックやサウンドがあるため、小説などに比べると比較的少なくなります。

指示:グラフィックやサウンドを流す指示です。プレイヤーが目にすることはなく、ゲーム制作者のために書くテキストになります。

これらの要素について、基本的な知識が第3部では解説されています。

※ただし、第3部については比較的解説があっさりしているので、テキストについてより深めるためには他の解説書も併せて読むことをおすすめします

シナリオの勉強1冊目には「ゲームシナリオの書き方」を読むべし!

この条件に当てはまる人は、「ゲームシナリオの書き方」がぴったり当てはまります。

  • ゲームシナリオの理論を1から学びたい
  • ゲーム特有のシナリオの特徴を知りたい

「ゲームシナリオの書き方」はシナリオの初心者向けに、必要な知識が網羅されています。

そのため、ゲームシナリオの基礎を学ぶ1冊目の本としてぴったりで、この本で全体をざっくり学んでからより深めていきたい分野の別の本へ進んでいくのがおすすめです。

また、ゲームだからこそのシナリオの考え方についても学ぶことができるので、映画や小説のストーリーを学んだことがある人にも役立つ1冊です。

書籍情報

【書籍名】ゲームシナリオの書き方第2版 基礎から学ぶキャラクター・構成・テキストの秘訣
【著者名】佐々木智広
【出版社】SB Creative
【出版日】2006年10月1日初版 2017年12月24日第2版
【頁数】287頁
【目次】

序章 現場を体験する

第1部 ゲームシナリオの主成分

第1章 テーマとストーリー
第2章 キャラクター
第3章 キャラクターの役割
第4章 世界

第2部 構成

第5章 構成の基礎
第6章 構成の要素
第7章 良い構成と悪い構成
第8章 選択肢
第9章 構成をより面白くする

第3部 テキスト

第10章 テキストの基礎
第11章 見た目とセリフ

(参考)シナリオのおすすめ本は「ゲームシナリオの勉強におすすめ本4選!」の記事にまとめていますので合わせて読んでみてください。

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