
ゲームプランナーに転職したいんだけど、コンシューマーとスマホアプリの会社どっちにすればいいんだろう?



もちろん自分が好きな方を目指すのも一つの正解ですが、それぞれに違いがあるのは知っておいたほうがいいですね。



転職の仕方も違いますか?



基本的には同じですが採用される難しさには違いがあります。詳しく解説しましょう。
プレイする上でのコンシューマーとスマホアプリの違いは分かりやすいですが、ゲームを作る上での違いはなかなかイメージしづらいですよね。
ゲームプランナーへの転職を目指す上でこの違いを理解しておかないと、せっかく転職できてもミスマッチや、転職自体の失敗などが起きてしまいます。
僕自身も未経験からゲームプランナーに転職し、現在はスマホアプリゲーム制作のディレクターを務めています。
この記事では、ゲームプランナーへの転職を目指す上で知っておきたい「コンシューマーとスマホアプリの違い」について解説します。
これを知っておけば面接などでのアピールにも繋がりますし、転職活動自体の戦略も立てやすくなります。
どちらが良い・悪いということはありませんので、自分がどう転職活動を進めるのかをイメージしながら読んでみてください。


ハードの違い


まずはコンシューマーとスマホアプリゲームの制作面におけるハードの違いを見ていきましょう。
様々な違いがありますが、今回はこの2つを取り上げます。
ハードの違い
- UI
- ユーザー層
UIは操作性ではコンシューマーが有利も、スマホにしかない機能も多い
まず最大の違いはUIです。
コンシューマーゲームの場合はコントローラー(PCゲームの場合は更にキーボードとマウス)で操作しますが、スマホアプリの場合は液晶にタッチする形になります。
液晶のみだと物理的な感覚がない分どうしても操作性に難があり、特にアクションゲームなど操作性が重要なジャンルではどうしてもコンシューマー側に軍配が上がります。



スマホアプリも工夫して操作しやすく進化しているけど、どうしても限界はあるのね。
ただしタッチパネルだからこそできるスマホアプリならではのゲームも存在し、ヒット作品も多いです。
- なぞる系のパズルゲーム(パズドラ、ツムツムなど)
- 引っ張る系のゲーム(モンストなど)
- 音ゲー(スクフェス、デレステなど)
また、「ポケモンGO」や「ドラクエウォーク」のようにGPSを用いたゲームはスマホというハードならではと言えます。
ユーザー層はライトとヘビーに分かれる


ファミ通ゲーム白書2021プレスリリース
ユーザー層の前にまずは「ユーザー数」を比較すると、スマホアプリのユーザーが多く、コンシューマーやPCでゲームを遊ぶ人はやや少なくなります。
この理由は簡単で、スマホアプリは基本プレイ無料の作品が多いのに対し、コンシューマーはハードやソフトをまず買うことが必要だからです。
そのためざっくり言うとスマホアプリは基本無料で遊ぶユーザーが多い「ライト層」、コンシューマーはお金を出してもゲームを遊びたい「ヘビー層」と分類できます。
上記で紹介したUIも、このユーザー層に刺さるようになっているのが分かるかと思います。
もちろんこれはかなりざっくりした分類なので、スマホアプリでもヘビー層をターゲットにした作品や、コンシューマーでもライト層をターゲットにした作品も多いです。
重要なのは自分が作ろうとしている作品をどのような層が遊ぶのかを意識して、UIやゲームデザインを最適化していくことです。
作品の作り方の違い


コンシューマーとスマホアプリではゲーム作品の作り方も異なります。
特に大きな違いとして「制作規模」と「利益構造」について説明します。
スマホアプリの制作人数は比較的少ない
制作に携わる人数の観点でコンシューマーとスマホアプリを比較するとこのような形になります。
制作人数の違い
- コンシューマー:100~1000人以上
- スマホアプリ:10人~100人くらい
コンシューマー作品は映像技術のレベルやシステムの幅がどんどん広がっており、それに比例して関わっている人数も多くなっています。
大作RPGなどのエンドロールを見ると、10分近くも制作に関わった方たちの名前がズラッと並びますよね。
一方、スマホアプリの制作規模はおそらく多くの方が想像しているよりも少なく、数千万円規模の売上を出している作品でも実は数十人で作っているような作品もあります。



ただしここで言っている人数はあくまで「制作」に関わる人で、マーケティングや総務人事など別の形で作品に関わっている人はもっと大勢います。
利益構造の違いによる作品の方向性の差
コンシューマーとスマホアプリでは、利益の出し方が根本的に異なるため、作品の作り方が全然違ってきます。
利益構造の違い
- コンシューマー:買い切り型
- スマホアプリ:課金型
コンシューマー作品で利益を出すためには、作品全体の質を上げて評価を高めることで購入してもらう必要があります。
さらに作品のファンになってもらうことで続編や同社の他作品も売れ、相乗効果で利益は大きくなっていきます。
一方、スマホアプリは基本プレイ無料で継続運営していく作品がほとんどです。
利益を出すためにはユーザーに長く遊んでもらい、課金してでも手に入れたい魅力的なキャラや装備を提供、あるいは他ユーザーとの競争意識を持ってもらう必要があります。
このようにゲームの方向性が異なるため、企画・制作段階でゲームプランナーが考えるべき内容には大きく違いがあります。



難しい内容をかなりざっくり説明していますので、単純に自分がどちらの作品が好きなのかで考えてもいいかもしれません。
ゲームプランナーへの転職難易度の違い


続いて、未経験からゲームプランナーに転職するという観点でのコンシューマーとスマホアプリの違いを見ていきましょう。
転職難易度としては「コンシューマー > スマホアプリ」となります。
コンシューマー系の会社:転職難易度「難」
コンシューマーのゲーム会社は未経験からの転職がかなり難しいです。
コンシューマーは開発費もかかるため会社の参入障壁が高く、現在コンシューマー作品を作っているのは歴史の長い大手の会社がほとんどです。
また、スマホアプリに比べてシステムが複雑な作品が多くその分プランナーに求められる専門的な知識も求められるため、即戦力になれないとなかなか転職は難しくなっています。



コンシューマー系の会社への転職を目指すなら、雇用形態とか年収とか、他の条件でかなり妥協する必要がありそう。
スマホアプリ系の会社:転職難易度「中」
一方で、スマホアプリ系の会社はコンシューマーに比べると転職難易度は下がります。
スマホ自体の登場からまだ歴史が浅く、スマホアプリのゲーム市場に新規参入の中小企業が多いためです。
また、ゲーム性がシンプルな作品も多いため、ゲームについての専門知識がなくてもその他のスキルが高ければカバーできる面があります。



スマホアプリ系の会社の転職はコンシューマーよりは入りやすいのね。
ゲームプランナーになった後の転職にも差が


先ほどは未経験からゲームプランナーに転職する際の違いについて書きましたが、ゲームプランナーになった後に転職する場合も結構な違いがあります。
コンシューマーからスマホアプリは転職しやすく、スマホアプリからコンシューマーはなかなか難しくなっています。
コンシューマー→スマホアプリ:転職難易度「易」
コンシューマー作品を作っていたゲームプランナーがスマホアプリ系の作品に転職する難易度は低く、実際多くの人が転職しています。
ゲーム制作における専門知識やスキルが基本的に高いため入りやすいです。
転職理由としては「スマホという多くのユーザーに届けられるハードの魅力」だったり「市場規模の大きさや将来性」だったりと様々。
コンシューマーとスマホアプリの利益構造の違いについて理解は必要ではあるものの、コンシューマーからスマホアプリ側に移るのは容易と考えていいです。



コンシューマーでの経験はスマホアプリでも活かせるのね。
スマホアプリ→コンシューマー:転職難易度「やや難」
一方で、スマホアプリでゲームプランナーを務めた人がコンシューマーの会社に転職するのはやや難しくなっています。
これはコンシューマー作品に求められる専門知識がスマホアプリのそれよりも広く、即戦力になりにくいと考えられているからです。
そのためスマホアプリからコンシューマーに将来的に転職したい場合には、会社での仕事だけでなく独学でのスキル向上や、企画面以外の共通で使えるスキル(人やスケジュールの管理面等)を磨いておくと役立つでしょう。



僕の会社の先輩もスマホアプリ→コンシューマーの転職は失敗していました・・・。
コンシューマーとスマホアプリの違いを理解して転職戦略を考えよう


ここまでコンシューマーとスマホアプリについて解説してきましたが、冒頭にも書いたとおりどちらが良い・悪いという話ではありません。
ただ2つの間には違いがあるのでそのことを理解して、自分がどちらに進みたいのか考え、そのための戦略を立てることが重要です。
このブログでは転職を成功させるための考え方を解説していますので、よければ他の記事も合わせて読んでみてください。


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