
ゲームプランナーに転職したいけど、経験もないしどうすればいいんだろう・・・



未経験からの転職が大変なのは間違いないですが、絶対に無理なんてことはないですよ!



本当ですか?



僕自身も未経験からゲームプランナーに転職したんです。その時に僕が考えた戦略を解説します!
この記事を読んでくれているあなたは、きっとゲームプランナーに転職したいけど未経験でもなれるのか不安だったり、どう転職活動をすればいいのか分からなかったりするのではないでしょうか。
たしかに未経験からゲームプランナーという特殊な職業に転職するのはハードルが高く、何も考えず戦略なしに転職活動をしてしまったら失敗に終わります。
そこでこの記事では実際に未経験からゲームプランナーに転職し、現在もゲームディレクターとして働く僕SHIMAが、転職活動時に考えた戦略をご紹介していきます。
この記事を参考にして転職活動を進めれば、ゲームプランナーとして働く未来が現実になります。
結論としては、「転職エージェントを利用して契約社員または派遣社員としてゲームプランナーのキャリアをスタートし、その後正社員を目指す」方法を実現可能性と収入の両面からおすすめしています。
未経験からのゲームプランナー転職は戦略が必要


未経験からゲームプランナーを目指す場合、何も考えずにがむしゃらに進むと転職が失敗に終わる可能性が高いです。
まずは戦略を考えましょう。
未経験で全ての希望を叶えるのは厳しい
おそらく多くの方がイメージする「理想の」働き方は次のようなものじゃないでしょうか。
理想の働き方
- 正社員として
- 高収入を得ながら
- 大手企業で
- 有名作品に携わりたい
ただ、正直なところ未経験からこの理想を全て叶えるのはかなり難しいです。



どこかは妥協しないといけないのね。
ある程度の妥協を取り入れる
- 正社員として → 契約社員・派遣社員も視野に
- 高収入を得ながら → 今の収入と同じくらいで
- 大手企業で → 中小企業も
- 有名作品に携わりたい → 作品にこだわらずまずは経験を積む
どこを自分の妥協できるラインとするかはあなた次第ですが、このように理想を下げて考えていくと未経験からでもゲームプランナーに転職できる可能性はグッと高くなります。
長期スパンでのステップアップを考える
未経験からゲームプランナーへの転職を考えるなら、ステップアップの発想を持ちましょう。
- まず妥協条件でゲームプランナーになる
- ゲームプランナーとして経験を積んで社内で昇格or有利な条件で別の会社に転職
- 理想の条件を叶えていく
未経験からいきなり正社員として有名企業で働くのはかなり難しいですが、ある程度経験を積んでからの転職であれば話は別です。
最終ゴールを自分の理想に置きつつ、そのために必要な経験を積んでいくイメージを持ちましょう。



未経験から入った僕も、プランナーとして経験を積み、現在はディレクター。転職するとしてもかなり有利な状況です。
共通するスキルがある職種ならチャンスあり
ゲームプランナーとして働いた経験がなくても前職が共通するスキルがある職種からであれば、妥協するライン少なめでも転職成功の可能性はあります。
- 企画力
- コミュニケーション能力
- 論理的思考力
- ゲームに関する知識
例えば広告業界で働いていたとか、web業界でサイトの企画運営をしていたとか、ゲームプランナーではなくデバッガーとして働いていたとか・・・
自分のスキルに何かしらゲームプランナーにそのまま活かせるものがあれば、それをアピールしていきましょう。
スマホアプリ系の会社は入りやすい


ゲーム業界の会社には大きく分けて次の2つがあります。
- コンシューマー系の会社
- スマホアプリ系の会社
コンシューマー系の代表的な会社は任天堂、スクエニ、カプコン、コナミ、アトラスなどなど。
スマホアプリ系の代表的な会社はCygames、mixi、ガンホー、アカツキなどなど。
(コンシューマー・スマホアプリともに作品を出している会社もありますが、どちらのイメージが強いかという点で書いています)



コンシューマーとスマホアプリで何が違うんだろう?
未経験でもスマホアプリ系の会社は入りやすい
このコンシューマー系とスマホアプリ系を比較して、未経験でも入りやすいのは圧倒的にスマホアプリ系の会社です。
コンシューマーに比べるとスマホアプリは会社的にも参入障壁が低く、まだ歴史の浅い中小企業が多いのがその理由。
もちろんスマホアプリ系の会社でも大手になるとハードルは上がりますが、未経験でも募集をしている会社はかなり多いですよ。



僕も未経験からスマホアプリの会社にゲームプランナーとして入社しました。
コンシューマー系の会社はハードルが高い
一方で、コンシューマー系の会社に未経験で入るのはかなりハードルが高いです。
新卒もしくは経験者の中途採用がほとんどで、未経験可の募集はほとんど見かけません。
理由はスマホアプリ系の逆で、コンシューマー作品は開発費もかかり参入障壁が高いため、歴史の長い大きな会社がほとんどだからです。



未経験からコンシューマーを目指すのは修羅の道なのね・・・
スマホアプリからコンシューマへの転職もハードルは高い、が不可能ではない
スマホアプリ系で経験を積んで、コンシューマー系の会社に転職をするのはどうかというと、実はこれもかなりハードルが高いです。
やはり制作基盤や運営目的が違うので、必要なスキルが異なってくるんですよね。
とはいえ完全に不可能というわけではありません。
例えばプランナーからPM(プロジェクトマネージャー)などにキャリアアップして全体のスケジュールを管理する能力などを伸ばしていれば、それはコンシューマー系でもそのまま使える武器になり、転職成功の可能性は高くなります。



ちなみにコンシューマーからスマホアプリに転職は割とよくあります。
まとめると、未経験からゲームプランナーに転職してキャリアを積むルートは次の3通りが考えられます。
スマホアプリ系に転職する | 入りやすい |
コンシューマー系に転職する | 難易度高い |
スマホアプリ→コンシューマー | 不可能ではない |



自分のやりたいことと、できることをよく考えて戦略を練ることが大事なのね。
契約社員・派遣社員でキャリアを積むのが狙い目


ゲームプランナーの雇用形態は次の5つがあります。
- 正社員
- 契約社員
- 派遣社員(紹介予定派遣含む)
- アルバイト
- フリーランス
収入面を考えるとアルバイトはリスクが高いですし、フリーランスはかなりの実績がないと難しいので、一旦この2つは除外して考えていきましょう。
未経験からいきなり正社員はハードルが高い
未経験で正社員としてゲームプランナーへの転職を目指すのは正直かなり厳しいのは覚悟しておきましょう。
ゲームプランナーはかなり特殊な仕事なので、前職の経験を活かすのがなかなか難しいです。
「共通するスキルがある職種ならチャンスあり」の項目に書いたような経歴からであれば、いきなり正社員に転職できる可能性はありますが…そうでなければ次に説明する契約社員・派遣社員を検討するのが現実的です。



私はゲームプランナーに活かせそうな経歴がないからいきなり正社員は難しいかも。
契約社員・派遣社員から正社員を目指すのが現実的
未経験からゲームプランナーへの転職を考える場合、一番現実的なのがまずは契約社員や派遣社員として経験を積み、後に正社員を目指すという形です。
実際制作現場には契約社員や派遣社員として働いているスタッフも大勢いますし、そこから正社員に登用されることも多いです。
未経験からの入りやすさや、待遇面、将来性などを考えても最もおすすめの戦略になります。



どんな形でも、一度ゲームプランナーとして入ってしまえばその後のキャリアアップはかなり有利になります!
大手に行きたいなら、他の条件を下げる


ゲームプランナーを目指すということは、きっとこれまでに夢中になって遊んだゲームがあるはずです。
それを作っている会社に転職したい!と考えている方もいるんじゃないでしょうか。
大手を選ぶなら他の条件を妥協する
当然のことながら、大手は優秀な人材が多く競争率も高いです。
「未経験で全ての希望を叶えるのは厳しい」の項目でも書きましたが、どうしても大手で働きたい場合、他の条件をかなり妥協する必要があります。
特に未経験の場合は契約社員や派遣社員でも難しいので、アルバイトまで視野に入れる必要が出てくるでしょう。



どうしても大手を目指すなら、覚悟が必要です。
希望の作品に入れる可能性は低い
大手に行きたい理由が「特定の作品に携わりたい」というものだった場合は更に注意が必要です。
仮にその会社に入れたとしても、希望の作品に配属されるかどうかは分かりません。
というか、大手ほど多くの作品を作っていますので可能性としてはかなり低いでしょう。



なんでその会社に行きたいのか?ってことはよく考えておいたほうがよさそうね。
求人は転職エージェントで探す


求人の探し方について説明していきます。
求人を探す方法は大きく分けて3つあります。
- 転職エージェントを利用
- 求人サイトで探す
- 各企業の求人募集を見る



それぞれ解説していきます。
転職エージェントが最効率
特に未経験からゲームプランナーへの転職を目指す場合、転職エージェントを利用するのが圧倒的におすすめです。
ゲーム業界の転職求人はやや特殊で、一般的な求人サイトなどにはほとんど求人案件がなく、ほとんどの求人がゲーム系の転職エージェントに集まっています。
また担当のアドバイザーにスキルや経歴に合った合格しやすい求人案件を探してもらえたり、書類や面接のアドバイスを受けることもできます。
お金もかからず、正直メリットしかないので、未経験からゲームプランナーを目指すなら基本的には転職エージェントが必須です。


求人サイト
求人サイトは転職エージェントとは違い、自分で求人を探して自分で応募する掲示板のようなものです。
ゲーム業界に特化している求人サイトもありますが、転職エージェントと比較すると求人数が圧倒的に少なく、またサポートもありません。
次の表、最初の4つが転職エージェント、最後が求人サイトです。
サイト名 | 区分 | 公開求人数 (ゲーム関連) |
![]() ![]() キャプション | 転職エージェント | 1036件 |
![]() ![]() キャプション | 転職エージェント | 772件 |
![]() ![]() キャプション | 転職エージェント | 1754件 |
![]() ![]() キャプション | 転職エージェント | 1583件 |
![]() ![]() キャプション | 求人サイト | 274件 |
※転職エージェントはこれに加えて、多数の「非公開求人」も持っています。
特に未経験からゲームプランナーを目指す上で、求人サイトを利用するメリットはほとんどないと言っていいでしょう。
企業に直接応募
未経験からの転職なので相当に高いハードルではありますが、企業に直接応募するという手もあります。
特に大型タイトルの開発開始時などは各ゲーム会社の公式ホームページの「採用情報」欄に募集している職種が掲載されていることがあります。
行きたいゲーム会社が決まっている場合は、ここから応募してみるのも一つの手ではあります。



行きたい会社がゲームプランナーを募集してたけど「3年以上の現場経験必須」って書いてあった・・・
書類はエージェントで添削


ここからは転職エージェントを利用する前提で話を進めます。
応募する会社が決まったら、応募書類を用意する必要があります。
エージェントでの添削を受ける
一番大事なことですが、作成した書類はそれぞれ転職エージェントの担当者に必ず添削してもらってください。
担当者は転職に関するプロですから、合格しやすい書類作成のツボを知っています。
基本的には何も言わなくても向こうから添削してくれることがほとんどですが、提出時に「添削お願いします」と一言添えておけば確実です。



ゲーム業界の提出書類ってどんなものかイメージしづらかったから安心!
必要になる書類
ゲームプランナーの転職で必ず提出することになる書類は次の2つです。
- 履歴書
- 職務経歴書
エージェントによって形式が決まっていることもありますが、紙ではなくExcelやWordデータで求められることがほとんどです。
特に指定やこだわりがなければ、次のサイトからテンプレをダウンロードして作成するのがおすすめです。
※僕の環境ではリクナビネクストのファイルはChromeを使用しているとなぜかダウンロードできなかったので、その場合はEdgeなど別ブラウザに切り替えると上手くいきます。



これはゲームプランナー特有の書類というわけではないので、普通の書き方でOKです。
企画書は作れるなら挑戦しよう
必須書類というわけではありませんが、企画書も作れるなら挑戦してみましょう。
体裁は整っていなくてもいいので、大事なのは新しいアイデアと熱意がこもっていること。
自分がこれまでゲームを遊んできた中で「こんなゲームがあったらいいのになぁ・・・」と一度は妄想したことがあるはずです。
それが伝わるように文字と画像を使ってこんなゲームを作りたいんです!と表現しましょう。



会社によっては企画書の提出が必須の求人もあります。
ポートフォリオは不要
ゲーム業界で転職活動をすると「ポートフォリオ」という言葉を目にすることがあると思います。
これはこれまでに自分が作った作品などをアピールするための記録のようなものです。
ただ、ポートフォリオの提出が必須な職種はグラフィックデザイナーやプログラマーで、ゲームプランナーを目指す場合で特に未経験の場合は基本的に提出する必要はありません。
もしも個人やサークルで作成したゲーム作品などがある場合には大きなアピールになりますので、その場合にはポートフォリオも用意しておきましょう。



私は提出できる作品がないからポートフォリオは出さなくていいのね。
面接で一番大事なのはコミュニケーション


続いて、転職活動最後の関門となる面接対策です。
プランナーはコミュニケーション能力が必須
あくまで僕の個人的な意見ですが、ゲームプランナーへの転職を目指す上で、面接で一番重要な評価項目は「コミュニケーション」です。
ゲームプランナーは一人ではなくチームでの働きがほとんどになります。
それ以外にもパイプ役としてグラフィックデザイナー、プログラマーなど他職種の人たちとも仕様についての相談などをする機会が非常に多いです。
ゲームプランナーがコミュニケーションをちゃんと取れる人でないと互いの理解がスムーズに進まず、作品がいびつなものになってしまいます。
上記を踏まえて、コミュニケーションが取れる人物だと伝えるためにも面接では次の2点を特に意識しましょう。
- 面接官の話を「聞く」
- 伝えたいことを整理して「順序立てて話す」



特に「聞く」方は軽視しがちなので、まずは聞く、そして話すことを肝に銘じてください。
面接対策もエージェントで受けられる
転職エージェントが書類の添削をしてくれることは先程書きましたが、面接の対策も行ってくれます。
担当者にもよるかもしれませんが、「疑似面接を行ってほしい」と伝えれば本番をシミュレーションした上で的確なアドバイスをしてもらえます。
自分の長所・短所も見えてくるのでぜひ積極的に活用していきましょう。
未経験でもゲームプランナーに活かせるスキルをPRする
面接の際に必ずと聞かれるのが「自己PR」です。
と言っても未経験なのにどんなことを伝えればいいのか?と思うかもしれませんが、何か自分の中にゲームプランナーとして役立つスキルがないか探してみましょう。
ゲームプランナーとして役立つスキル・・・?
- 前職で企画立案に関わる仕事をしていた
- 前職で役割の異なる部署同士をつなぐ役割をしていた
- ゲームのプレイ経験が凄まじく、これまでに1000本以上の作品をプレイしてきた知識なら誰にも負けない
などなど。



Officeソフトのスキルなら自信があるけど、これもアピールできるポイントになるかも!
志望動機は「なぜゲームを作りたいのか」を考える
ゲーム業界を目指す人に多い志望動機の失敗例第1位(SHIMA調べ)をご紹介します。
それは「とにかくゲームが好きだから」というもの。
これは正直面接官にとって評価が低いです。
もちろんゲームが好きなことは大事なんですが、これだけだと面接官は「消費者としての意識のままだな」という印象を持ってしまいます。
大事なのは「なぜゲームを作りたいのか」ということ。
自分がなぜプランナーになりたくて、どんなゲームを作りたいのかということを話せるように、自分の考えを整理しておきましょう。



プレイヤーから製作者側に目線を変えなくちゃいけないのね。
最後の手段はアルバイト


ここまでご紹介してきた戦略を試してもどうにもならなかったら・・・最後の手段を2つご紹介します。
- アルバイトからゲームプランナーとして経験を積む
- デバッガーとしてキャリアをスタートする
アルバイトは入りやすいが、デメリットも大きい
アルバイトとしての入社は、契約社員や派遣社員よりも採用されやすいです。
ただ、当然収入面や福利厚生面の待遇は悪いですし、その後に正社員として登用してもらえるかどうかも保証はありません。
少なくとも求人説明に「社員登用あり」の記載があるか、ない場合は受ける前に会社に確認をしたほうがいいでしょう。
リスクは非常に大きいので、条件には全くこだわらない、何が何でもゲームプランナーとして働きたい!という人以外にはおすすめしません。



今より収入も落ちるし、もし正社員登用してもらえなかった後のリスクが怖い・・・
デバッガーもプランナーよりは入りやすいが、後で転向できる保証はない
アルバイトよりは現実的かつリスクの低い選択肢として、まずは「デバッガー」としてゲーム会社に入社してそこからプランナーへの転向を目指すという方法もあります。
デバッガーの仕事は特に初期の頃は決められたチェックシートに沿ってデバッグを進める形になります。
そのため個々人の資質やスキルに左右される要素が少なく、未経験でもゲームプランナーよりは採用可能性が高いです。
デバッガーとしての入社を希望する場合も、転職エージェントで転職活動を進めるのが基本になります。
ただ、入社後にデバッガーからゲームプランナーへの転向する人も一定数いるのは事実ですが、希望すれば確実に通るわけではないということは先に覚悟しておく必要はあるでしょう。



ゲームプランナーにこだわらくても、ゲームに関わる仕事として選択肢に入れるのはありです!
ゲームプランナーとしての一歩目を踏み出そう!


以上、未経験からのゲームプランナー転職について順を追って解説してきました。
冒頭でも書いたとおり、大事なのは戦略です。
未経験という立場であることを踏まえて、ある程度条件を妥協する必要があるという意識を持ってスタートすれば転職成功できる可能性はグンと高くなります。
そして、一回ゲームプランナーとして業界に入ってしまえばこっちのものです。
その後の理想のキャリアに向けて長期的にステップアップしていく戦略を立てましょう。



ここまでお読みいただきありがとうございました!